【うつ病とは違う?】双極性障害をどこよりも分かりやすく解説
あなたは【双極性障害】という病気をご存じでしょうか。
では【躁うつ病】という言葉はどうでしょうか。
この2つは同じ病気の名前ですが、【躁うつ】と聞くと【うつ病】と同じ様なものという認識をしてしまっていませんか。
実は、【躁うつ】【双極性障害】は『うつ病』と同じ認識を持ってしまっていると、余計に苦しい思いをしてしまう心の病気です。
私自身、現在【双極性障害】の闘病中なのですが、双極性障害や躁うつで検索をしても
説明が長ったらしく、あまり読む気にはなれなかったので
このブログにて、出来るだけわかりやすく解説していこうと思います。
- 双極性障害とは
- うつ病との違い
- 躁状態の特徴
- 双極性障害で抱える問題点
- 双極性障害の原因
- 双極性障害の種類
- うつ状態と躁状態の同時発生
- 双極性障害は治る病気です
- 双極性障害と診断されたら
- まとめ
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双極性障害とは
【双極性障害】とは、ジャンルとしては【うつ病】と同じ気分障害です。
主にうつ病の治療過程で見つかる場合が多く、日本における患者数は100人に1人という比較的少ない病気です。
何故【双極性障害】と【躁うつ】という2つの呼び方があるのかという問題ですが、【双極性障害】は現代における正式な病名であり、【躁うつ】とは今の正式な病名が出来る前の呼び方でありましたが、『うつ』という言葉が入ることで間違った認識を与える事から病名が変わりました。
躁うつの『躁』ってなに?
『躁』とは、『うつ』の対極にある言葉です。
うつ病は、暗く沈んだ気分がずっと続いてる状態の病気であることは認知されてきていますが
それとは逆に、『躁病』というものも存在します。
躁病は、異常に気分が高揚したり、なんでも出来るような思い込みをしてみたり、時には人を傷つけるような行動をとってしまう病気です。
この様な気分になることを【躁状態】といいます。
うつ状態については以前に書いた記事がありますので、そちらをご覧ください。
なぜ病名が変わったのか
病名は時代や研究の進み具合で変わっていくことは珍しいことではありません。
【躁うつ病】は、うつ病に躁病の状態も確認されることからこの病名が付きましたが、研究が進むことによって【うつ病】とは違う病気である可能性が高くなったことから、うつ状態と躁状態の2つの極端な状態が存在する新たな1つの病気と考え【双極性障害】へと病名が変更されました。
また、うつ病の認識が広まったこともあり、躁うつ病とうつ病を混同した間違った認識が広がらないようにという背景もあるそうです。
うつ病との違い
決定的に違うのは、異常な気分の高揚がある事。
つまりは「めっちゃハイテンションでやべー状態」が、他人から見てもわかるレベルである事です。
そして、このうつ状態とハイテンション状態は交互に繰り返します。
うつ病にも気分や体調の波がある事を知っている人はまだまだ少ないですが、実際にうつ病を体験している方ならわかると思います。
双極性障害は、その気分の向上が突き抜けていき
「あれ、もう治ったんじゃね?」
「やべー、今ならなんでも出来そうな気がする」
「寝なくても全然平気なんですけど」
の様な状態に入っていきます。
そして、ある程度この状態が続いた後はその反動で気分が急落していき酷いうつ状態に入っていきます。
この、気分の急上昇と急降下を交互に繰り返していく病気を【双極性障害】と呼びます。
躁状態の特徴
躁状態は気分の異常な高揚感が見られますが、先のことまで考えられない状態であるとも言えます。
大きな借金を抱えてみたり、人間関係に亀裂が入ってしまったりと、社会的に大きな損失を得ることになりかねません。
躁状態の一例
- 寝なくても動き続けられる
- じっとしていられない
- 借金をする
- 無駄遣いをする
- 急激に頭に血が上るようになる
- 集中できない
- 一つのことをやり遂げられない
- 自分が偉くなったと思い込む
- 人の意見を聞かない
- 病気が治ったと思い込む
- 喋りつづける
- 誰にでも話しかける
- 大きな妄想をする
のすけの躁状態はどうだったのか
一番大きな問題になるのが、お金と人間関係の問題です。
私の場合は元々、人込みやうるさい場所が嫌いだったのでギャンブルに手を出すことはありませんでした。
ですが、計画的にお金を使うということが出来ず、何にでも興味を示してしまうのですが興味を失うのも早く、お金も時間も無駄にしてしまうことが沢山ありました。
躁状態に入るたびに大きな買い物をしてみたり、新しく借金をしてみたり、とにかく浪費に走りました。
躁状態のときは寝なくても平気だったので、いくらでも働ける気がしていたこともあって、収入の予測がありえない計算で出されていました。
また、酷い時はすべての人が自分より劣っているように見えてしまい、毎日イライラしていて物に当たり散らすようなこともしばしばありました。
暴力を振るってしまうのではないかという恐怖があり、人に近づくのが怖いです。
人間関係がうまく構築できないので職場は転々とすることになります。
次第に自分自身へ絶望していき「死にたい」「消えてしまいたい」と思うようになっていきます。
双極性障害で抱える問題点
うつ状態と違い、躁状態を自分でおかしいと認識することは難しいと思います。
そもそも調子がいいわけですから、自分が病気にかかっているなんて思うはずもありません。
うつ状態で病院を受診して初めて双極性障害だったと気づくというのには、こういった問題点を抱えているからです。
また、うつ状態で病院を受診したとしても、自分自身が〈躁状態の一例〉にあるような行動をとっていたことを認識していないと、いつまでたっても双極性障害の治療に移行できません。
お医者様はエスパーでもサイコメトラーでもありませんから、あなたの口から症状を聞くまではうつ病の薬しか処方できないという問題があるのです。
双極性障害と気づかない事で起こる問題
双極性障害だと気づかないままうつ病の治療を行っていた場合どうなるのでしょうか。
それは、双極性障害の病気はおろか、うつ状態からも回復できず、症状が悪化していく場合があります。
双極性障害とうつ病は違う病気であると説明した通り、【双極性障害のうつ状態】と【うつ病のうつ状態】とでは異なるものと考えなければなりません。
どちらの病気でも多くの場合薬での治療になりますが、病気の違い・症状の違い・医者の違いで処方される薬も変わります。
自分がどんな状態であるのかを細かく伝える事が大事になってきます。
再発性の高さ
双極性障害は、気分の好調が見られるためか途中で治療をやめてしまう人が多いです。
自分では治ったと思っていても、それはただの躁状態の一部にしか過ぎなかったり、ある程度の期間治療を続けていても、自己判断で途中でやめてしまうと再発する可能性が非常に高いです。
そして、再発するたびに発症までのスピードが速くなる傾向が見られます。
何度も再発を繰り返していると、薬自体の効果が出ずらくなってしまうというデメリットしかありません。
自殺率の高さ
うつ病は気分の落ち込みがありますが、その憂鬱さから自殺までの行動に結び付かない場合もあります。
逆に双極性障害は、「死にたい」「消えてしまいたい」という気持ちが強くなると、行動的にもなっていきます。
気分の好調にもつながりますが、行動的活動的な一面があることで自殺に結び付きやすいという問題も抱えています。
双極性障害の原因
双極性障害の原因も、うつ病と同じようにはっきりした原因はわかっていません。
遺伝子研究の世界では、遺伝要因が関係している可能性を示しているようですが、これといって確定した情報はなく、関係ないというサイトがあったり、関係しているのは間違いないという人がいたりでまとまっていません。
現段階では、脳の機能に主にストレスなどが要因で異常が発生しているという認識です。
また、【うつ病のうつ状態】と【双極性障害のうつ状態】は、ほとんど見分けがつかないらしく、治療の差はやはり自分自身がどのような状態であったかをお医者さんに話すことでしか診断ができないようです。
以前にうつ病発症の原因について解説した記事がありますので、そちらもご覧ください。
双極性障害の種類
単に双極性障害と言っても「Ⅰ型」と「Ⅱ型」が存在します。
簡単に言うと「Ⅰ型」は、はっきりした躁状態とうつ状態がある事。
それぞれを略して、【双極Ⅰ型】【双極Ⅱ型】と呼びます。
軽躁状態とは
上記にある〈躁状態の一例〉のような症状が重いものではなく、人間関係や生活にトラブルが出るほどではないような状態の事を軽躁状態と言います。
また、軽装状態は4日から1週間ほどで一次的に収まっていくため、双極Ⅱ型はうつ状態と躁状態の波が細かくなる傾向にあります。
それと同時に双極Ⅱ型のほうが軽い病気に思われているようですが、波が細かいということは浮き沈みがのペースが激しいということであり、コントロールしにくいという問題があります。
うつ状態と躁状態の同時発生
気分に波があると表現していて、うつ状態と躁状態を交互に繰り返すのが双極性障害であると解説してきました。
うつ状態と躁状態の症状の繰り返しを表すときに波線を用いますが、イメージできるでしょうか。
標準ラインより上にある時が躁状態、下にある時がうつ状態なわけですが、波の浮き沈みを辿っていくと必ず標準ラインと交わるポイントが出てくると思います。
ですが、必ずしも段階を経て症状が現れる訳ではないということも知っておく必要があります。
もう少しわかりやすく説明すると波型の曲線で表してはいるものの、必ずしもその線上を通っているわけではなく、躁状態の頂点部分にあったとしても、そこから標準ラインを通ってうつ状態に入っていくのではなく、瞬間的にうつ状態に入ることもあります。
その逆で、うつ状態から瞬時に躁状態に変化する場合もあり、穏やかな一定の波状の浮き沈みだけではないのです。
また、気分が良いように感じられてもうつ状態の思考や行動も混合して現れている場合もあり、より理解を深めなければいけない問題でもあります。
双極性障害は治る病気です
きちんと薬を服用し、場合によってはカウンセリングを受けたりすることで必ず治る病気とされています。
症状がひどい人は入院になってしまうケースもあるようですが、私は入院するまでには至っていないので、その辺の情報はわかりません。
治療自体も長くかかるとされていますが、間違いなく治る病気です。
決して自己判断で薬をやめたり通院をやめたりせず、お医者さんの判断を聞きましょう。
どれぐらいの治療期間になるのかは人によって様々なので具体的なものはわかりませんが、うつ病の治療期間についてまとめた記事がありますので、参考にお読みください。
私の場合は、今現在で双極性障害と診断を受けてからまだ1カ月もたっていませんが「薬の効果が現れるまでは1か月から2か月ぐらいかかるだろうから様子を見ましょう」と言われています。
双極性障害と診断されたら
まずは焦らない事です。
そして、まずは病気を治すための行動をとりましょう。
仕事が休める人であれば、お休みをもらって休養を取ることも大切です。
双極性障害と診断されると躁状態の方に目が行きがちですが、うつ状態の方が長いという結果も見られています。
薬で病気をコントロールすることが可能で、そうしながら普通に生活を送っている人も沢山いるそうです。
そういった体験談を見たり聞いたりするのも希望が持てるのではないでしょうか。
日記をつけてみる
私も進行形で行っているのですが、自分のうつ状態と躁状態を知るために今日1日の気分の変化や体調などを日記に書いていく事をおすすめします。
どの程度の周期で入れ替わりがあるのか、どんな症状があったか等、記録することによって病院に行くときも説明しやすくなりますし、何より自分自身が病気に対して理解を深める事が出来ます。
生活のリズムを整えていく
日記をつけていくと、生活の乱れ、食生活の乱れなど様々な要因を見つける事が出来ます。
特に睡眠は体と心の休息には必要不可欠です。
徐々にでもいいので、生活のリズムを整えていく事を意識しましょう。
まとめ
簡単にまとめると、このような特徴を持った病気であります。
本人に自覚症状がない場合でも「あれ、なんかいつもとおかしいな」と感じたら病院に行ってみましょう。
そして、あなたの大切なパートナーが躁状態であり、もしあなたを傷つけるような行動をとろうとしたのであれば「これは病気のせいだから、今耐えてればすぐに治まる」などとは考えずに、すぐに症状の重症性を伝え入院してもらうよう動いたほうがいいでしょう。
口が悪くなった程度であればまだいいのですが、暴力的になってしまうと支える側の心も体もボロボロになってしまいます。
必ず治る病気であるということだけは忘れず、どうか希望を手放さないようにしましょう。
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