【 助産制度が使えない!? 】生活保護世帯が知っておくべき入院助産制度の仕組み
このブログ内にて、娘( 高校生 )が妊娠したことを報告しました。
我が家は生活保護を受けて生活しているという前提はありますが、出産にかかる費用はポンッと出せる金額ではないですよね。
出産にかかる費用は、適切な制度を使う事によって大きく減らせる場合がありますが、その制度の中に、【 入院助産制度 】というものがあります。
前回も出産にかかるお金の話として、記事を書きました。
上に書いた記事の中でも、入院助産制度( 以下、助産制度 )については軽く触れていますが、条件を満たしていても助産制度が使えない場合があるんです。
実際に助産制度を利用しようとした我が家の実体験をもとに、この制度について詳しく解説していきます。
入院助産制度とは
入院助産制度とは、経済的な理由で保険上必要な施設での出産が出来ない妊婦さんに対して、出産費用の一部または全部を助成する制度です。
このように小難しく書いてありますが、要は、「 どうしても出産費用が用意できない妊婦さんに対して、制度上決められた病院で出産するのであれば、その出産費用の全額か一部かを支援してくれる 」というのが助産制度。
入院助産制度の申請条件
制度の説明文に「 経済的な理由で 」と書いてあるように、助産制度は妊婦さんなら誰でも気軽に使える制度というわけではありません。
助産制度を申請するのに必要な条件は
の、3つの条件のうちのどれかに該当している必要があります。
※あくまで申請条件であり、条件に該当していて申請したからと言って審査に通るとは限らないようなので注意が必要です。
※申請後、すぐに結果出るわけでもありません。
保険上必要な施設とは
助産制度の説明には「 保険上必要な施設 」と書いてありますが、基本的には産婦人科を想像しますよね。
ですが、助産制度を利用するのであれば「 全国どこの産婦人科で産んでもいいよ 」というわけにはいきません。
助産制度を利用する場合は、市区町村で指定された医療施設で出産することとなります。
すでに他の産婦人科で検診を受けていて、いざ助産制度を利用しようと思った時に、指定の施設や産婦人科ではなかった場合、病院を変えなくてはなりません。
妊婦さんにとって環境が変わる事は大きなストレスになりかねませんし、全く行ったことのない病院だと不安に思う気持ちもあるでしょう。
それに、基本的には個室ではなく大部屋です。
どうしても助産制度を利用したい状況であれば、「 しょーがない 」と割り切って考えましょう。
出産前に申請すること
これは基本的な事ですが、赤ちゃんを産んだ後に「 へー、助産制度なんてあったんだー。お金大変だったから申請しよう。」と思ってもダメです。
助産制度は出産前にしか申請できません。
極端な話、出産前であれば臨月でも申請は出来ます。
もし「 経済的な理由 」で該当するものがあれば、早めに申請をすることをおすすめします。
助産制度を利用できない状況
我が家でも助産制度を検討する機会がありました。
これは、私の世帯の生活保護担当の方に「 助産制度というものも使えます 」と説明を受けたからです。
生活保護を受けている時点で申請条件はクリアしているはずなので、問題なく利用できるものと思っていました。
ですが、例外的に申請できない場合があることを後になって知ったのです。
まず、一般的に赤ちゃんは【 夫婦 】や【 恋人 】のあいだに授かるものですよね。
ですが、これはあくまで一般的なものであって【 夫婦ではない 】【 恋人でもない 】という男女のあいだにも、体の関係があれば赤ちゃんを授かる可能性はあります。
ここからは赤ちゃんを授かった男女や世帯の関係性を、助産制度が利用できるかどうか、少し特殊なケースごとに解説していきます。
CASE① 生活保護世帯のAさん夫婦、妊娠したのは高校生の娘
高校生の娘が妊娠しました。
相手も高校生です。
我が家は生活保護世帯だが、相手の家は普通の家庭みたいです。
出産費用については相手側が一部出すと言っているが、うちでは出産費用に回せるお金がありません。
助成制度は使えるのでしょうか?
これは我が家の例をベースに書いたものですが、このケースでは助成制度は使えないようです。
生活保護の担当者から聞いた説明では、どちらの世帯に関わらず、出産費用を一部でも出せるという状況の場合は助成制度が使えません。
極端な話、「 両世帯合わせても1万円ぐらいしか用意できません。」のような場合は若干ニュアンスが異なるようですが、基本的に多少でもまとまった金額が用意できる場合は助成制度は使えないという事でしょう。
CASE② 前年度非課税世帯のBさん、相手の家は生活保護世帯
娘が妊娠させられましたが、相手側の家庭が生活保護を受けていました。
出産費用を用意したい気持ちはあるが、生活保護なので全く援助が出来ないと言っています。
まさかの出来事なので、うちにも貯えが無く、出産費用をどうすればいいか困っています。
これはCASE①を少し変えて、相手側もお金が無いという場合ですね。
相手側は生活保護ということで、お金が無い事がはっきりわかっています。
Bさんの世帯も非課税世帯ですので、出産費用を用意することが難しい場合は助成制度を利用することが出来ます。
逆に、非課税世帯であっても、生活保護世帯であっても、出産費用一部でも用意できるのであれば助成制度を利用することは出来ません。
CASE③ 母子家庭のCさん世帯、高校生の娘が妊娠したが相手が分からない
一人娘が妊娠していました。
相手に責任をとってほしいのですが、娘は相手がだれか分からないと言っています。
出産一時金を使っても足が出るので、助成制度を使いたい。
Cさんが母子家庭だとしても、助成制度の申請条件を満たしていない場合は利用できません。
出産一時金と助成制度は申請の仕方次第では併用できるという事なのですが、この辺はいまいち分からないのが正直なところ。
仮にCさんが、前年度非課税世帯もしくは生活保護世帯であるなら助成制度は使えます。
「 相手を探し出して費用について話あってください 」みたいなことにはなりません。
入院助産制度の仕組み、まとめ
出産費用は、一般的に出産一時金を利用すると思います。
ですが、生活保護世帯で尚且つ健康保険に加入していない場合は、出産一時金は利用できません。
そんな時に助けになるのが助産制度ですが、細かい部分まで見ていくと制度自体が利用できないケースもあることが分かりました。
あくまで妊婦さんの世帯で判断はしますが、赤ちゃんは相手がいてはじめて授かる命です。
お金のことは、仮に当人同士が別れていても関係なく発生する問題ですので「 うちはお金が無いし、一時金ももらえないから助産制度を使いたい 」といっても、すぐに利用できるとは限りません。
実際に私が生活保護の担当者とやり取りをして分かったことは
・助産制度あるから費用については心配ないと言われたが、実際は使えなかった
・説明する人によって、内容が少しづつ違う
(助産制度の説明には、一部または全部を助成するとありますが、中には全額でしか申請できませんという人もいました。)
・妊娠したくてしたわけじゃないという事実を理解してくれていないので、相手の家庭と費用について何度も話し合いをするように催促される。
・少しでもまとまった金額が出せるなら、助産制度は使えないとう説明はされない。
・生活保護世帯だとわかっているのに、費用はどれぐらいまで出せますかと何度も聞かれる。
などなど、助産制度を利用するには人の壁も越えなければならないようです。
「 助産制度を使わせないようにしているみたいですね 」と聞いてみたのですが、半笑いで「 そんなことはないですけど・・・ 」と言っておりました。
助産制度だけでなく、様々な制度を利用するには誰が担当になるかの運次第なところもあるのでしょうね。
病院が指定されるという条件が出てきますが、助産制度を使う事で少しでも出産費用を抑えられることは確かです。
間違いなく助産制度を申請するための条件を満たしているなら、上手に利用しましょう。
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